塩シャンプーが薄毛や白髪に効くってホント?知っておきたい真実と誤解

話題の「塩シャンプー」何がいいの?

最近話題の「塩シャンプー」。

少し前に話題になった、シャンプーを使わずお湯だけで髪を洗う「湯シャンプー」の進化版のようなものですが、その「塩シャンプー」には頭皮や髪にいろいろとメリットがあるようです。

例えば、

  • 抜け毛が減る
  • 薄毛が改善する
  • 白髪が減る
  • 頭皮の匂いが減る

などなど、様々な効果があると言われています。

そんな話題の「塩シャンプー」ですが、本当に期待される効果があるのでしょうか。

塩シャンプーの成分から考えられる効果、反対にあまり期待のできなさそうな効果、塩シャンプーに関する知っておきたいこと、過度の期待や誤解、塩シャンプーの作り方・シャンプー方法など詳しく見ていきたいと思います。

塩シャンプーで抜け毛が減る?薄毛が改善する?

薄毛を気にする男性

塩シャンプーで抜け毛が減ったり薄毛が改善するなら、男性にとってこんなうれしいことはありません。

なぜ市販のシャンプーをやめて、塩シャンプーに替えると抜け毛や薄毛の改善に効果が期待できるのでしょうか。

それは、市販のシャンプーに使われている洗浄成分である「界面活性剤」に答えがあります。

市販のシャンプーには、一般的に高級アルコール系の界面活性剤が使われています。この高級アルコール系界面活性剤は、泡立ちが良く非常に洗浄力が高いことが特長です。また安価に作ることができることから、多くのシャンプーで採用されています。

しかし、洗浄力があまりにも強すぎるため、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうのです。頭皮の皮脂はきれいに取ってしまえば良いというものではありません。皮脂は外部からの刺激から頭皮を守ったり、頭皮の水分が乾燥しないように働くため、頭皮には適度な量の皮脂が必要です。

洗浄力の強いシャンプーで必要な皮脂まで洗い流してしまうと、頭皮は乾燥を防ぐために必要な皮脂をより多く分泌しようとしてしまいます。そうすると頭皮がベタつき、また強力なシャンプーで皮脂を洗い流して、さらに皮脂が分泌されて、といった悪循環が繰り返されてしまうのです。

皮脂が過剰に分泌される状態になり、毛穴に皮脂が詰まったり、皮脂が酸化してくると頭皮環境を悪化させる要因にもなります。健康な髪は健康な頭皮からしか生えてきません。頭皮が不健康になれば髪の健康を阻害する要因になってしまいます。

その点、塩シャンプーであれば、頭皮の皮脂を取り過ぎることはありません。界面活性剤が入っていませんので、泡立ちはなく、一般的なシャンプーのような洗い心地はありませんが、頭皮に刺激を与えることもなく、汚れだけを落としてくれるため、頭皮環境を悪化させる心配はありません。

とは言え、塩シャンプーの成分自体に、抜け毛を減らしたり、薄毛を改善する働きはありません。あくまでも、市販のシャンプーと比べて、相対的に頭皮環境を悪化させにくいだけであるということは理解しておきましょう。

成分が何らかの作用を及ぼすわけではありませんので、男性ホルモンの作用によるAGA(男性型脱毛症)にも効果は期待できません。

また、脂分の多いハード系のワックスなどの整髪料を使っているときには、きちんと落としきれない場合もあり、汚れや脂分が頭皮に残ると逆効果になってしまうこともあります。

シャンプーの基本は、不要な汚れや皮脂は残さず洗い流し、必要な皮脂は洗い流さないことです。
皮脂の落とし過ぎは頭皮環境を悪化させますが、汚れや皮脂が頭皮に残るのはそれ以上に頭皮環境の悪化につながってしまいます。

塩シャンプーは、頭皮環境に優しいシャンプーですが、汚れや皮脂が残らないように注意して使いましょう。

塩シャンプーで白髪が減る?

白髪に悩む40代男性

塩シャンプーで白髪が減ると言われているのも、抜け毛・薄毛の改善と同じです。

市販のシャンプーから塩シャンプーに切り替えることで、頭皮環境が改善すれば、髪に色をつけるメラノサイトの働きが改善する可能性もあり、その結果白髪が減ることにつながります。

ただし、塩シャンプー自体に白髪を直接減らすことにつながるような成分は入っておらず、過度の期待はしないほうが良いでしょう。

また、血行改善によって白髪が減る、といった記事も見かけますが、確かに頭皮の血行が改善されればメラノサイトへ栄養や酸素が十分に行き届けられるようになり白髪の改善につながるものと思いますが、塩シャンプーはただの食塩水ですので、塩シャンプーを使うことによって頭皮の血行改善につながるとはちょっと考えにくいです。

塩シャンプーで頭皮が匂わなくなる?

頭皮の匂いに悩む男性

塩シャンプーに切り替えることで、頭皮の皮脂が過剰に分泌されなくなれば、毛穴詰まりや皮脂の酸化が起こりにくくなり、その結果匂いを抑えることができます。

また、男性の頭皮から匂う油のような匂いは「ジアセチル」という匂い成分が原因です。

塩には殺菌効果があり、微生物を殺菌し、繁殖を防ぐ作用があります。漬物や塩漬けなどにも塩の殺菌作用が使われています。

塩の殺菌効果で匂いの元になる「ジアセチル」を殺菌することで頭皮の嫌な匂い(いわゆる「ミドル脂臭」)を防ぐことができます。

塩シャンプーを使っても頭皮の匂いが解消しない場合には、ミドル脂臭対策用のシャンプーを使うと効果的です。

塩シャンプーの作り方とシャンプー方法

塩シャンプーの作り方

塩シャンプーの作り方

  1. 洗面器にぬるま湯を入れます
  2. 塩を大さじ1~2入れます
  3. よくかき混ぜます

塩はどんなものでも良いですが、できれば食卓塩よりも袋入りの普通の食塩がオススメです。
食卓塩には炭酸マグネシウムが入っており、塩シャンプーにしたときに、わずかですが弱アルカリ性に傾いてしまうため、髪のキューティクルを開いて傷めやすくなってしまいます。

※岩塩など粒の大きなもので、頭皮をこするのは絶対NGです。塩はお湯によく溶かしましょう。

塩シャンプーの方法

  1. 作った塩シャンプーを一旦別の場所に置き、まずはお湯で頭を良く流します
  2. お湯で大まかな汚れや皮脂を取ったら、先ほどの塩シャンプーの洗面器に頭をつけます
  3. 両手の指の腹を使って頭皮をマッサージするように良く洗います
  4. 頭皮に塩分が残らないようにお湯でしっかり洗い流します

もしワックスなど整髪料を使っているときは、塩シャンプーの前にリンスやコンディショナーあるいはトリートメントを先に使って脂分を落としておきます。
このときリンスやコンディショナーは、髪にだけつけ頭皮にはつかないようにしましょう。

塩シャンプーは効果的だけど過度の期待は禁物

塩シャンプーは、抜け毛や薄毛、白髪、頭皮の匂いなどいろいろな効果が期待できますが、使い始めてすぐに頭皮環境が改善するものではありません。

切り替えのタイミングで頭皮や髪が順応するまでには時間も必要ですし、塩シャンプーの使い方にも慣れが必要です。即効性のあるものではありませんので、効果が出るまでは継続して使っていくことが重要です。

また、塩シャンプーは万能ではなく、塩シャンプー自体には直接薄毛や白髪を予防する成分は入っていません。あくまでも洗浄力の強力な市販のシャンプーと比べての話ですので過度な期待は禁物です。

皮脂の分泌量の多い方や強めのワックスをよく使う方、頭皮が汚れやすい方などの場合、塩シャンプーでは汚れや皮脂を落としきれないこともあります。

また塩シャンプーは頭皮には優しいですが、髪にとっても優しいというわけではありません。海で海水に塗れた状態で紫外線を浴びると髪が傷むように、きちんと洗い流せずに髪に塩が残った状態で紫外線を浴びてしまうと髪を傷めることにもなりかねません。

洗浄力を抑えたシャンプーと言うことであれば、頭皮や髪と同じ成分である「アミノ酸系シャンプー」も選択肢に入ってきます。塩シャンプーで効果を感じにくい方や皮脂の多い方などはアミノ酸シャンプーを使ってみても良いでしょう。