ミノキシジルは、現在各社から販売されている発毛剤に多く配合されている発毛効果の高い有効成分です。CMで見かけるリアップや海外製品ながら古くから人気のロゲインなども、このミノキシジルが有効成分として配合されています。
ミノキシジルは血管の拡張を促し血圧の改善や心機能の改善、脳内の血栓予防等血液の流れ等の治療に広く使用されてきた成分ですが、発毛の効果があることが判り、現在では日本を始め世界でも多くの発毛剤に配合されています。
今回は、ミノキシジルの詳しい情報や副作用などについてまとめてみましたので、発毛剤・育毛剤選びの参考にしてください。
目次
ミノキシジルは副作用から生まれた発毛成分
元来ミノキシジルは血管を拡張させる効果のある薬としてアメリカのファイザー製薬が開発し、高血圧の患者の処方されていた薬です。
ところが高血圧の患者に数ヶ月間処方を続けたところ、患者の全身の毛が濃くなったり頭頂部が禿げ上がっていた患者の毛が生えてくる症状が見られるようになりました。
この毛が生えてくる症状はミノキシジルの「副作用」として発見されたものですが、発毛への効果が期待できるとして、高血圧の患者のための薬を製造していたファイザー製薬が、ミノキシジルを発毛用の薬として研究を行いました。
その後1988年に世界で初めてミノキシジルを主成分とした男性型脱毛症(AGA)の外用治療薬として製造販売が開始されました。
ミノキシジルの発毛効果
髪の毛というのは毛根の中にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返す事で毛が生え伸びます。
ミノキシジルには血管を拡張する働きがあり、このミノキシジルの働きによって頭皮下部の毛細血管が拡張して血流がよくなり、その結果、アデノシンという物質が分泌されます。アデノシンは毛母細胞に刺激を与え、髪を生やすための増殖因子(VEGFやFGF-7など)を発生させます。
流れを追うと以下のとおりです。
- ミノキシジルによって血管が拡張する血流がよくなる
- 血流が良くなることでアデノシンという物質が分泌される
- アデノシンが毛母細胞等に刺激を与え発毛増殖因子を発生させる
- 発毛増殖因子の発生により元気な髪の毛がつくられる
また、ミノキシジルには血管を拡張する働きがあると書きましたが、血流が良くなることで、発毛増殖因子を発生させるだけでなく、髪に十分な栄養が運ばれるようになり、発毛が起こりやすくなる効果も期待できます。
ミノキシジルの内服タイプと外用タイプ
発毛への効果が証明されてミノキシジルを主成分とした発毛剤には内服タイプと外用タイプの2種類があります。この内服タイプと外用タイプにはそれぞれ特徴がありますので見ておきましょう。
内服タイプ
まず内服タイプは、直接体内に摂取することでミノキシジルの効果を得やすく、発毛の効果が高いと言う点が大きな特徴です。
また、タブレットタイプになっているので手軽に飲む事ができます。
しかし、外用タイプに比べ、どうしても副作用のリスクが高くなる傾向があり、また、購入できるルートも限られているデメリットがあります。
外用タイプ
外用タイプは、頭皮に直接塗布するタイプです。
内服タイプに比べ発毛の効果は落ちますが、副作用のリスクは低いと言う特徴があります。
計量や塗布など使用するのに少し手間がかかってしまうデメリットもあります。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルは高い発毛効果のある反面、副作用があることも報告されています。
ミノキシジルが有効成分である「リアップ」の説明書にも以下のような副作用があるということが明記されています。
基本的に塗布した部分に現れる副作用です。敏感肌の方やアレルギー体質の方は十分注意しながら使用してください。
また実際の症例はないようですが、塗布した場所以外にも副作用が表れる可能性もあり注意が必要です。
特に注意しておきたいのはミノキシジルの内服タイプです。
内服タイプはミノキシジルを体内に取り込むことで高い発毛の効果を得る反面、副作用も懸念されます。
これは元来ミノキシジルが高血圧の患者の血管拡張の治療に使用されていたものであるため、心臓や血液の浄化に関係する腎臓、あるいは全身の臓器に対して何かしらの影響を与えることを示していると考えられます。
ミノキシジルの注意点
ミノキシジルを使う際は、副作用以外にも注意することが一つあります。
ミノキシジルを使い始めたときに「初期脱毛」と言って、一時的に髪の毛が抜けてしまうことがあります。
これはヘアサイクルによるものです。AGAの方の頭皮はヘアサイクルが正常に働いておらず、髪の毛が成長しきる前に髪の毛が抜け落ちやすい状態になっています。
ミノキシジルによって成長が促された髪の毛がヘアサイクルの乱れた古い髪の毛を押し出して毛が抜けていることが原因ですので、心配をする必要はありません。
「初期脱毛」では一時的に抜け毛は増えますが、健康的な髪の毛に生え変わってきている証拠とも言えます。古い毛が抜けた後には、太くしっかりとした髪の毛が生えてきます。
さいごに
医薬品であるミノキシジルは発毛効果も高いですが、副作用など扱いには十分な注意が必要です。
ちょっとミノキシジルに手を出すのはこわいなと思われた方や、まだそこまで薄毛が進んでいないという方にはミノキシジルを配合していない育毛剤をおすすめします。
発毛剤と違い、育毛剤には発毛効果はありませんが、頭皮環境を整え育毛や抜け毛の予防効果が認められています。副作用の心配もなく安心して使えます。