白髪染めと言ってもいろいろな種類があり、それぞれ異なった特徴があります。
ドラッグストアやネットでも多くの白髪染め商品が売られていますが、自分に合った白髪染めはどれなのか、逆に使わない方が良い白髪染めはあるのか、など分からないことだらけです。
白髪染めをこれから始める方だけではなく、これまで白髪染めを使ってきた方の中にも、よく分からないけど何となく近所のドラッグストアで最初に手に取った白髪染めを使い続けているという方もおられると思います。
今回は、ドラッグストアやネットなど一般に市販されている白髪染めを対象に、それぞれの特徴、メリット・デメリットなど、分かりやすくご説明します。白髪染め選びの参考にしていただければ幸いです。
目次
白髪染めの種類と概要
1.ヘアカラー
ドラッグストアで見かける2剤式の白髪染め。ヘアダイとも呼ばれます。髪の内部で発色して長くきれいに染まるが、髪や頭皮へのダメージが大きい。
2.ヘアマニキュア
キューティクルを開くことなく髪の表面に染色するタイプの白髪染め。ヘアカラーに比べ染まり・色もちは弱いものの、髪や頭皮を傷めずに染めることができる。
3.ヘアカラートリートメント
白髪染めにトリートメント成分が配合されたタイプの白髪染めです。ヘアカラーに比べ染まり・色もちは弱いものの、髪や頭皮を傷めずに染めることができる。トリートメント効果あり。
4.ヘアカラーシャンプー
シャンプーに白髪染めの成分が配合されたタイプで、シャンプーをするだけで同時に髪を染めることができる。一度では髪が染まらず使うたびに徐々に白髪ケアができる。
5.一時染め・白髪隠し
白髪が気になる場所に塗って一時的に白髪を隠すことができる。洗い流しも不要で使えるが、一度のシャンプーで落ちてしまう。
それぞれの白髪染めの特徴
1.ヘアカラー
ヘアカラーは一番普及している白髪染めで、ドラッグストアやスーパーマケットの店頭にも置いてあり、手軽に使うことが出来ます。
ヘアカラーリング剤の分類では医薬部外品の「酸化染毛剤」に分類されます。一般的に1剤の酸化染料と2剤の過酸化水素水を混ぜ合わせて使います。
髪の毛のメラニン色素を分解して脱色したうえで、髪の表面のキューティクルを広げ、染料を髪の内側に浸透させ、化学反応することで色を定着させ白髪を染めます。
一旦脱色してから染色するため、明るい色でも暗い色でも思い通りのカラーに染めることができ、一度の白髪染めできれいに染まります。シャンプーでも色落ちすることなく、1~2ケ月ほど色もちします。(ただし新しく生えてくる生え際は白髪が目立ってきます)
しっかり染まる反面、髪や頭皮に対するダメージがあり、継続的に使用することで髪をパサパサにしてしまったり、髪を傷めてしまうことがあります。またアレルギー反応を引き起こすリスクもあるため、使うたびに必ずパッチテストが必要です。
【染まり】1回でよく染まる、明るい色でも暗い色でも染められる
【色もち】1回の使用で1~2ケ月ほどカラーが持続
【ダメージ】髪や頭皮にダメージが大きい、アレルギーリスクあり
【トリートメント効果】トリートメント効果なし
【代表的な白髪染め】メンズビゲンワンタッチカラー、メンズビゲンワンプッシュ
2.ヘアマニキュア
ヘアマニキュアは、キューティクルを開かず、髪の表面に染色するタイプの白髪染めです。ヘアカラーリング剤の分類では化粧品の「半永久染毛料」に分類されます。
髪の内部に染料が浸透せずに髪の表面だけを染めるため、ヘアカラーに比べると染まりは弱いですが、メラニン色素を分解することなく、キューティクルも開きませんので、髪を傷めにくいのが特徴です。
黒髪を脱色する過程がないため、黒い髪は染めることができず、髪色以上に明るいカラーに染めることはできません。
また、髪の表面に染色しているだけですので、シャンプーをするたびカラーは落ちていきます。色もちは1週間程度です。
【染まり】徐々に染まる、髪色よりも明るい色に染めることはできない
【色もち】約1週間、シャンプーのたびに色落ちする
【ダメージ】髪や頭皮にダメージが少ない、アレルギーリスクが低い
【トリートメント効果】トリートメント効果なし
【代表的な白髪染め】メンズブローネ
3.ヘアカラートリートメント
ヘアカラートリートメントも、ヘアカラーリング剤の分類ではヘアマニキュアと同じ「半永久染毛料」に分類されます。配合されている染料やトリートメント成分の違いから、ヘアマニキュアとは分けて分類されることが多くなっています。
白髪染めにトリートメント成分が配合されたタイプで、リンスやコンディショナーの替わりに使います。
多くのヘアカラートリートメントは、分子サイズの大きい塩基性染料(髪の表面を染色)と分子サイズの小さいHC染料(髪の内部から髪の表面付近に染色)をダブル配合して作られており、髪の表面を表と裏から染めることで染まりや色もちを高めています。
ヘアカラーに比べると染まりは弱いですが、メラニン色素を分解することなく、キューティクルも開きませんので、髪を傷めずに染められます。髪や頭皮を傷めずに染められるだけではなく、髪の毛をトリートメントしながら白髪ケアすることができるのが特徴です。
色もちは1週間程度です。
【染まり】徐々に染まる、髪色よりも明るい色に染めることはできない
【色もち】約1週間、シャンプーのたびに色落ちする
【ダメージ】髪や頭皮にダメージが少ない、アレルギーリスクが低い
【トリートメント効果】トリートメント効果が高く、髪を保湿・補修する効果がある
【代表的な白髪染め】利尻ヘアカラートリートメント、ルプルプヘアカラートリートメント
4.ヘアカラーシャンプー
シャンプーに白髪染めの成分が配合されたタイプです。ヘアカラーリング剤の分類ではヘアマニキュアやヘアカラートリートメントと同じく「半永久染毛料」に分類されます。
ヘアカラーシャンプーは、普段使っているシャンプーに替えて使うだけで洗髪と同時に髪を染めることができます。一度では髪はしっかり染まらず、使うたびに徐々に白髪を目立たなくすることができます。
またトリートメント成分が配合されているヘアカラーシャンプーも多く、毎日の白髪ケアだけでなく髪の健康維持にも効果的です。
【染まり】一度では染まらない、使うたびに徐々に染まる
【色もち】毎日の使用でカラーを維持
【ダメージ】髪や頭皮にダメージが少ない、アレルギーリスクが低い
【トリートメント効果】トリートメント効果があり、髪を保湿・補修する効果がある
【代表的な白髪染め】利尻カラーシャンプー
5.一時染め・白髪隠し
一時染めはその名のとおり、一時的に白髪を染めるタイプの白髪染めです。ヘアカラーリング剤の分類では化粧品の「一時染毛料」に分類されます。
白髪が気になる場所にさっと塗って一時的に白髪を隠すことができます。染めた後の洗い流しも必要ありません。髪に塗るだけですので、簡単・手軽に使うことができます。
ただし、効果は一時的で、シャンプーをすると色は落ちてしまいます。
【染まり】一時的に白髪を隠せる
【色もち】一時的、シャンプーで落ちる
【ダメージ】髪や頭皮にダメージが少ない、アレルギーリスクが低い
【トリートメント効果】トリートメント効果なし
【代表的な白髪染め】利尻白髪隠し
どの白髪染めを選べばいいの?
それぞれの白髪染めの特徴が分かったところで、どの白髪染めを選べば良いのでしょうか。
染まり具合で言えば「ヘアカラー」が一番ですが、髪や頭皮へのダメージを考えるとあまりお勧めはできません。
白髪染めは一度使って終わりではなく、継続して使っていくものです。白髪ケアを考えるときには「髪や頭皮へのダメージがない」ことを最優先にしていただきたいと思います。
年齢を重ねてくると、白髪だけではなく、抜け毛・薄毛、髪の細りやボリュームダウンなど髪の悩みが増えてきます。早い時期から髪や頭皮の健康に気を使っていかないと、将来後悔することにもなりかねません。
髪や頭皮を傷めずに染めるなら「ヘアカラートリートメント」あるいは「ヘアカラーシャンプー」がおすすめです。
ヘアカラートリートメントであれば週に1回染めればきれいなカラーが持続します。なによりも髪や頭皮を傷めずに白髪ケアができ、併せてトリートメントでヘアケアもできてしまいます。
またヘアカラーシャンプーも、シャンプーをするだけで髪や頭皮を傷めることなく白髪ケアができます。わざわざ白髪染めをする必要がなく、毎日のシャンプーで白髪ケアができる魅力があります。
いろいろな種類の白髪染めが販売されていますので、初めて選ぶときには迷うことも多いと思います。それぞれの特徴やメリット・デメリットをよく理解したうえで、ご自分に合った白髪染めを選んでください。